こんにちはstelliterです。
今回はポリエステルストリングについてのタッチ系ショット評価を書かせていただきます。
タッチ系ショットとなるとマルチやモノフィラメントが王道ですが、そこでポリストリングに対しての私なりの私見を述べさせていただきたいと思います。
それではいってみましょう。
❝一般的な話❞
「いやーポリってどこで打ってるか分かんないでしょ」
「ハードヒットやトップスピンには向いてるかもしれないけど、ベテラン層には必要ないんじゃない?」
「エルボー(テニス肘)やっちゃって以来、ポリは使ってないよ」
などと評価されるポリ系ストリング。
打感が硬いし、何より飛ばないでしょ、、
と、最初からポリを使用しないベテランさん、それまでポリを使っていたんですが、脱ポリ推進し始めるベテランの方とそれぞれいらっしゃいます。
しかしこの評価、どこまで皆さんに当てはまるでしょうか
そして、特に今回注目したい、
「タッチ系ショットについてのポリストリング評価」について取り上げてみたいと思います
❝なぜポリはタッチ系ショットに向いていないと言われるのか❞
一般的に向いていないといわれる理由
- どこに当たっているかわからないから
- 打感が硬いから
- 飛ばないから
- 肘や体に負担だから
この
- どこに当たっているのかわからない
- 飛ばないからという
の2つが特に疑問ですよね。
むしろポリこそ細かいタッチが出せるのでは?とさえ思っています。これは後述でダメ押しします。
❝ポリのユーザーは今や幅広い❞
ポン、ポンと軽い力でボールを反発するモノフィラメントやマルチはポリに較べ、ボールがよく飛ぶとされています。そして打感がとにかく柔らかく、肘にも優しい
年配の方におススメされるはずですね。
でもどうでしょう、最近は年配の方でもポリを張っているプレーヤーって多くないですか?
私より先輩のアラフィフ・アラ還世代ですら最近はポリを張ってらっしゃる方をよく見かけるのですが。
20年以上前の第一世代ポリ(BABOLATポリビート)あたりまでは、さすがに打感も悪く飛びもよくなかったと悪評判だったようです。
一般ユーザー間では「全然飛ばないし、こんなのプロでないと使えない!」と批難されていたようですが、最近のポリは本当にバラエティ豊富です。
ベテラン層に敬遠されていた打感の問題も、各メーカー改良を重ね、
- 特殊素材採用
- 多角形状化
- 一本もののポリを分割
- マルチ化させたポリマルチ
など各メーカー、怒涛の開発競争を経て、今やその多様性はとどまることを知りません。
問題とされたテンション維持性能ですら、もはやナイロンモノとそん色ない性能を有するポリも珍しくありません。
❝ベテランプレーヤーも使用しています❞
アラ還前後世代の方はおそらく80年代、もしくは70年代からプレーされており、当時はナチュラルかせいぜいナイロンモノ(オージーシープ?)しかなかった世代です。
その往年のプレーヤーたちも今、結構ポリを使用していることが多く見られます。
それはポリが持つ耐久性を最大のメリットとしつつ、当時のプレースタイルの方でも
「そんなに硬くないし結構飛ぶ、、ポリもなかなかいいじゃないか👍」
とその打感や飛びの向上を魅力として認識できたからではないでしょうか
❝柔らかいポリが本当に多い❞
前述のポリの技術開発は、体への負担も大幅に減少させています。
打った感触は、例えばナイロンおよび似たような特色のポリとの比較をブラインドテストで行なった場合、10名モニターすれば2,3名は
「ん~どっちがポリだ!?」
と悩む人も必ず出てくるくらいに進化しています(わたしは硬めのポリのほうが好きですが)
その影響か、最近ではテニス肘をやってしまう人も少し減少傾向にあるのではないでしょうか。
テニス肘は打ち方にも大いに影響しますからね。私も2回やっていますが、ポリが影響したとは認識していません、単にヘタクソだったんですよ(笑)
❝最近のポリは飛びもタッチもいい❞
(飛び)
飛びに関してですが、単純にベンチテスト(人間を介さない、ラボでの性能検証)など行った場合は確かにナイロンモノのほうが同条件であれば反発性能は高いのでしょう。
しかしポリはその単純明快な単一構造から極細化が可能です。各メーカーから1.18mmゲージなど普通に販売されており、こちらのポリストリングはかなりの反発性能を発揮します。
あとストリングはラケットとの合算性能で考えるもので、プレーヤーもそれを理解しています。
最近のラケットはとにかく飛びがいいものばかりです。そこへきてバンバン反発するナイロンモノなどを組み合わせた場合、逆にタッチ系のプレーは制御が難しくなってしまうのではないでしょうか。
(タッチ系ショットのコントロール)
ここですね。
「ポリの持つホールド感」、これがポリ最大の魅力だと私は思っています。
ストロークでその「グシャッ!!」とボールを潰す感触はボレーなどでも十分に発揮され、タッチに良い影響を与えます(と、私は感じています)。
ナイロン系、しかもモノフィラメントは確かに打感が柔らかいというか軽く、とにかくすぐにボールを弾く、球離れのシャープさが売りです。
しかしそれが逆にコントロール性、ひいてはタッチ系ショットに悪影響なんではないかと考えます。
私の感覚では、どこに当たっているかわからないのは、むしろモノフィラメントのような気がするんですが
同じゲージであれば確かに実際の飛びはナイロンに1歩譲ります。
しかしポリは、そのホールド感の良さが逆にコントロール性を高める、つまりタッチに優れると言い換えられませんでしょうか。
❝テンションも左右する❞
最近では30ポンドでポリを張る「テンションゆるゆる系ユーザー」も増えています。
このLAFINOさんの動画、とても参考になりますよ。
ポリを緩めに張ることで、たわみを十分に体感することができ、ボレーやスライス等なんでもそうですが、ボールタッチ時の情報伝達が非常によくなっています。
わたしは逆にナイロン系を30ポンドで張ったらそれこそどこに飛んでいくかわかりません(笑)
❝ゲージによっても変わる❞
飛びや打感に大きく影響するのがゲージです。
- 細ければ飛びがよい
- 太ければ飛びは控えめ
ストリングにはこのトレードオフな関係があり、その各ポリストリングの多様性から非常に多くのセッティングが可能。
もはやナイロン系でなければならない理由はどこにも存在しません。
そしてゲージ種類の豊富さ。ナイロン系は1つのストリングにせいぜい2種類から多くて3種類。
しかしポリは1つのストリングに各メーカー、非常に多くのゲージラインナップをそろえており、3種類や4種類は普通、キルシュバウムのスーパースマッシュなど、なんと小刻みに5種類のゲージをそろえています。
「飛びがもう少し欲しいんだけど」
というプレーヤーにもこれだけのセレクションがありますから、
「ポリは飛ばないからボレーがつらいよね」
なんてこともありません。
❝まとめ❞
- 往年のプレーヤーもポリ化してきている
- ポリでもタッチ系のプレーは全然可能
- むしろそのホールド感がタッチにいい影響を与える
- セッティングで更にポリの特性を引き出せる
- ゲージ種類が豊富なこともあり、今のポリは飛びも上々
ちょっと私見も多く入れてしまいましたが、これを読んでいただけた皆さんの印象としても
「近からずも遠からずと」
いうところではないでしょうか。
今後もポリの販売シェアは極端に下がることは考えにくいと思います。ぜひこの機会にベテランの方もそうでない方も、今一度ポリストリング導入をご検討ください。